イチョウは裸子植物?被子植物どっち?
中学生の理科、植物の分類に関するお話です。学習塾のお知らせ用ブログに書いた「イネは単子葉類?それとも?」もご覧ください。
まず、裸子・被子植物の定義から。教科書的な説明だと、「胚珠が子房でおおわれている」のが被子植物、そうではないのが裸子植物とされています。
- 胚珠は熟すと種子になる
- 子房は熟すと果実になる
被子植物は、タネを外の環境からガードする仕組みがあるということで、その分進化が進んだ植物ともいえるわけです。これに対して裸子植物はタネを守るしくみが不完全なため、花は原始的というかシンプルな形となり、花びらはなく、当然果実も実りません。
ここで、おなじみの植物の分類図を載せておきます。
裸子植物の代表例
裸子植物の種類はそれほど多くなく、代表的なものを覚えておくとよいです。
- イチョウ
- ソテツ
- マツ・スギなどの針葉樹
タイトルの答えですが、イチョウは裸子植物に分類されます。イチョウの木は街中で目にするものの、なんと古生代から存在し続け、昔からの姿をとどめた「生きた化石」と言われています。ギンナンが実るから被子植物では?と思いきや、あのイヤな臭いの部分は子房が果実になったものではなく、外種皮というタネの一部なんだそうです。
ソテツについては他にまぎらわしい植物があるので、テスト対策というより自分の勉強のため整理してみました。
まず、ソテツとヤシ、どちらも南国のイメージで見た目も似ていますが、全く違う種類です。例えばココヤシはココナッツの果実ができるわけなので、ヤシは被子植物です。上の写真を見てみれば、ヤシが細長い平行脈の葉っぱを持っていて、ネギやイネと同じ単子葉類のグループであるのがわかると思います。
それから、シダとソテツも混同しやすいので注意。シダ植物なのに「クサソテツ」など名前がついているものがあるからです。クサソテツは山菜の「コゴミ」として有名。ワラビやゼンマイもシダ植物です。以上をまとめると次のようになります。
- ソテツ……裸子植物
- ヤシ……被子植物の単子葉類
- シダ……シダ植物
裸子植物の花は地味?
裸子植物の花はおよそ「花」という感じではなく、鑑賞しても「きれい!」とは思えないものが多いです。
バラやカーネーションの花はプレゼントになりますが、裸子植物のイチョウやマツでは無理そうですね。スギの花なんて贈ったら大惨事になりかねません。
マツの花については、雄花・雌花の違いも問われます。画像からはわかりにくいですが、花は、一番てっぺんにつくのが雌花、下の方にできるのが雄花です。ちょうどよい画像が用意できませんでしたが、NHKで動画が提供されているようです。
なお、テストに出る知識ではなくおまけですが、紛らわしいことに、トウモロコシ(被子植物・単子葉類)は上が雄花、下が雌花です。トウモロコシの実って、一番のてっぺんではなく低いところにできるんです。上から花粉がパラパラと落ちてきて、下の方にある雌花にくっついて受粉するという仕組みです。