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地層の読み取りの定番問題

中学理科で出てくる、地層の柱状図を読み取って、その場所が昔どんな所だったかを判別する問題をご用意しました。高校入試での出題率はあまり多くないので、どうしても後回しになりがちな分野です。その反面、問題のパターンに慣れれば点数にしやすいところですので、肩の力を抜いて取り組んでみて下さい。

「かぎ層」を基準に揃える問題

細長い筒状の機械を使い、地面に穴を掘りながら地層の様子を調べていくのが「ボーリング調査」です。ちなみに、ラ○ンド○ンとかで遊べる、ボールを転がすアレはボ「ウ」リングと書くのが一般的です。

このボーリング調査で、地層の様子がわかるわけですが、テストでは縦長の柱状図の形で出てきます。ただこの図は地表面、つまり足元からの深さを示していることが多いので、標高が違っているときに高さを揃えてから問題を解かないといけません。

ここで、1つ問題をやってみましょう。とある地域のX, Y, Zの3か所でボーリング調査をしたとき、下の図のような地層になっていることが判明しました。ただし、この地域の地層は断層・しゅう曲がなく、水平(横まっすぐ)に重なっているものとします。図のア~ウの地層を古い順に並べると、どうなるでしょうか?

地層を古い順に並べると?

この答えは、ウ、ア、イとなります。まず確認として、岩石は下から順にどんどん積み重なっていくわけですので、下の方が古い地層、上のものが新しい地層になります。

そして、柱状図を眺めて、すべてに共通する特徴的な層「かぎ層」がないかどうかを探してみます。この図では、紺色の短い層がかぎ層として使えそうです。この問題は、地層が水平に堆積しているということですから、かぎ層が横まっすぐになるように並べ直してみると、下の図のようになります。

かぎ層で一直線になるよう並べる

これで、ア~ウの位置関係がはっきりするので、古い順、つまり下から答えを並べてやれば完了です。

大規模な問題でしたら、このように図を自力で書き直すのが確実ですが、単発の小問では時間がもったいないので、そのときはア〜ウの層が「かぎ層から何メートル離れているか」を数えると簡単に答えが出せます。次の図をご覧ください。

かぎ層から何メートル離れている?

テスト問題の図にこのように数字を書き込んでいくと、地層の上下関係がわかりやすくなります。あとは下にあるものから順に、ウ、ア、イと答えを書いていけばいいわけです。

地層が傾いているとき

先ほどの問題は、地層が水平だという前提で問題を解きましたが、現実には地層が斜めになっていることが多いかと思います。

傾きのある地層とは?

ということで、地層が「どっちの方向に傾いているの?」と質問する問題もよく出てきますので、1つ例題を取り上げます。次の図のA, B, Cでボーリング調査をしました。断層・しゅう曲はなく、地層は一定の傾きで平行に積み重なっています。さて、この地層はどちらが低くなる傾きでしょうか。

地層はどっち方向に傾いている?

正解は、南の方向が低くなるという解答です。ではまず、地図を読み取りましょう。等高線に注目すると、A, B, Cはそれぞれ標高200m, 190m, 195mとなります。足元(深さ0m)の地点、つまりグラフの一番上が標高と同じになるよう柱状図をずらして書いてみましょう。

標高をずらして柱状図を並べる

ここで、かぎ層を見つけます。先ほどと同様、紺色の短い層が使えそうです。AとBは同じ高さですが、BはAの真東にあるわけですから、東西の方向は傾きがありません。ところがAとCを見比べると、Cの方が低くなっており、CはAの真南、ということで、この地層は南が低くなっている、という答えが出せます。

なお、この問題も図を書き直さずに解くことができます。かぎ層が、標高何mの部分に位置しているのかを特定するやり方です。

かぎ層の高さは?
  • A地点の標高は200m。かぎ層はそれより12m低い188mに位置する。
  • B地点の標高は190m。かぎ層はそれより2m低い188mに位置する。
  • C地点の標高は195m。かぎ層はそれより10m低い185mに位置する。

という計算になり、南側にあるCだけかぎ層の位置が低くなっています。

解き方のまとめ

以上の解き方をまとめると、次のようになります。

  • 地層が傾いていなければ、かぎ層が横一直線になるよう並べる
  • 地層が傾いている場合、かぎ層が高さ何mにあるのか探る

粒の大きさから判断する問題

岩石が積み重なったできた「堆積岩」は、粒の大きさによって名前が異なり、粒の大きい順に、れき岩・砂岩(さがん)・泥岩(でいがん)という名称になります。「れき」はがれきの「れき」と同じ字(礫)で、直径2mm以上の大きな粒です。

テスト問題では、これらの岩石が堆積しているときに、海底の深さがどうなったのかを尋ねる問題が出されますので、ご紹介します。

深くなった?それとも浅くなった?

もし解き方がピンと来ないのであれば、ちょっとヒントを出してみましょう。岩石は川の水流で運ばれ、最終的に海にたどり着くわけですが、粒の大きい方が遠くまで運ばれて行きやすいわけです。これで答えが見えてきませんか?

答えは「浅くなった」です。泥岩は粒がとても小さいため、河口から遠いところ、つまり海の深いところに堆積します。一方れき岩は粒が大きいので、河口付近の浅いところですぐに沈んでしまいます。地層は古い順に積み重なっていくため、昔は海の深いところだったのが、だんだん浅くなってきた、ということが読みとれます。