2024(R6)年の青森県立高入試、数学のプチ解説
青森県立高校の入試問題、2024(R6)年版は以下のサイトからダウンロードできます。
24年の数学の試験、まず問題にざっと目を通して思ったのが、見た目的に「わーっ難しそう」と逃げ出したくなるような問題が少ないということです。もちろん、見た目が難しいからといって設問自体が難しいとは限らないのですが、少なくとも緊張している受験生にかかる心理的なプレッシャーという意味ではやりやすかった出題ではないかと思います。
実際に解いてみると、市販の問題集でもよく見かける、毎度おなじみの定番問題が多めでした。そんな中でも、さりげなく単位の変換が必要だったり、計算でちょっとした工夫を要求されたりと、うろ覚えではない正確な知識が求められる印象でした。
……と思って油断していたら、なんと正答率1%代の問題が2問もあってびっくり。どちらも悪問という感じではないけれど、正直解くのはしんどいかなという感想です。
出題分野について、確率の問題がゼロだったというのは珍しいです。ただしこれは例外パターンですので、確率は毎年出るものと思ってきちんと対策しておく必要があります。
それでは、いくつか目立った問題について解説してみたいと思います。
大問1
単発問題の寄せ集めが40点以上、毎年恒例のパターンです。どの受験生にも「なるべくパーフェクト
正解を目指して頑張って!」と言っているのですが、その通り確実に点にしておきたい問題ばかりです。
平方根の計算はちょっと工夫が必要で、因数分解をせずにそのまま計算しようとすると。平方根の数字を小さくしないでそのまま掛け算しても解けなくはないのですが、時間がかかってしまいます。

大問2
データの読み取りの問題と、連立方程式の文章題が出題されました。
データを扱った問題はほぼ毎年出題されている分野です。今年度のように正しい選択肢を選ぶ4択問題がよく出されています。
方程式の文章題もおなじみですが、特に連立方程式の出題が多い印象です。問題のバリエーションが豊富なので、出題する方も出しやすいのだと思います。
今年度の出題は、速度や距離に関する問題で、途中でスピードを変更するという定番のもの。教科書でも真っ先に取り上げられているほどです。ただし単位の変換が必要なため正答率は40%代となりました。2時間18分を正しく分数か小数に直せるかがポイントになります。

大問3
ここでは、図形問題が2問というパターンがしばらく続いています。合同か相似の証明問題が必ず出題されています。
まず、円錐についての問題から。円錐の展開図の問題は定期的に復習しないと解き方を忘れてしまうのが怖いところです。側面のおうぎ形の中心角は、実は瞬時に求めることができます。母線が3cmで底面半径が1cmなら「あ、3分の1カットだから120度だな」という感じです。

続いて、三平方の定理を利用しつつ長さを求める問題につながるのですが、なんと正答率1%。三角形の外型部分に直角を付け足して求めるのですが、確かにこれに気づくのは至難の業!という感じでした。問題用紙を回転させて、何か手掛かりがないか探ってみることも大事です。

ただ、その前の部分、おうぎ形の中心角の問題の時点で諦めてしまった受験生もかなり多かったものと思われます……
次に相似の証明問題です。円周角の知識を使うのですが、設問は穴埋め式でまったく難しくない問題です。最近の青森県の問題は証明をフルで書かせることはなくなって安心……と思いきや、翌年2025年ではしっかりフル記述の問題が出されたので油断禁物。
証明問題の後で、相似比を利用して辺の長さの計算をするのもおなじみのパターンです。正答率が約7%と低かったのですが、もっと高くてもよいと思いました。相似比の計算で二次方程式を使うこともよくあるのでここで計算を諦めてしまってはいけません。

相似比を求める場合、図のように図形の向きを揃えて欄外に書いておくとイメージがつかみやすいと思います。
大問4
例年ここは関数(グラフ)問題となっており、ひとつの山場ともいえる存在です。この年は放物線と直線の問題でした。
4問セットでの出題というのもおなじみで、どの受験生も最初の2問は必ず正解しておきたいところです。座標を求めて三平方の定理に当てはめれば簡単に解ける問題でした。正答率も50%を超えています
3番目の問題で「面積の等しい三角形」の話が出てくるのですが、いわゆる「等積変形」の出題で、平行線をうまく利用するのがポイントです。

ラストは正答率1%代(四捨五入して2%)となりました。点と直線との距離を求めよ、という見慣れない設問に対して、「何これ?点と直線との距離ってどこ?」と戸惑ってしまった受験生が多かったと思います。

これは、点から直線に向かって垂線を引き、この垂線の長さを求めるという三平方の定理の問題です。点の座標を文字式で表し、三平方の定理の公式に当てはめるというテクニックが要求されるのですが、計算量がとにかく多く、正しく式を導けたとしても途中計算で大きな数字が出てきて相当不安になる問題でした。
大問5
最後の問題も毎年同じパターンで、数の変化の「規則性」を見つける問題となっています。
正五角形、正六角形…正n角形という図形について、対角線の本数がどう変化するかを考える出題です。問題を解くのに必要なヒントは問題文の記述にしっかり書かれているので、それを読み取れば完全解答も難しくない設問でした。実際、一番難しい最後の問題でさえ正答率30%以上ありました。ただ時間が足りないと、大事なところを読み飛ばしてしまうので、時間の余裕のあるうちにある程度解いておくのもよいかもしれません。
テスト問題は時間の制限との戦いになることもあるので、ベネッセ等の業者テスト(入試問題そっくりの構成で作られている)を解く時に、どういう順番で解けばプレッシャーを受けずに解答できるか、いろいろ試してみてほしいと思います。
余談
今回正答率1%代となった2つの問題(120度の三角形の辺の長さ、点と直線との距離)は、実は高校数学の知識を使うとあっという間に解けてしまう問題でした。
このように、高校数学の問題を中学校の知識だけで解くという出題は、青森県に限らず入試問題でときどき見かけるのですが、結構な難問になることが多いような気がします。


