ピアノ三重奏「八重桜」

2018年の夏に、自作のピアノ三重奏曲をYoutubeにアップロードしました。これはVienna Instrumentsを使った(ただしStandard版)打ち込みでしたが、2020年に入ってからEmotional ViolinとCelloでリメイクしたのが以下になります。

下の内容は、最初にアップロードしたときに投稿した記事ですので、やや情報が古めです。

ピアノ三重奏の作曲に挑戦!!

今回の作品は、ヴァイオリン・チェロ・ピアノのための三重奏です。

この編成で難しいのはチェロの扱い。ピアノとの音域のバッティングには気を使うところです。よく言われるのは「チェロは低音楽器と考えるのではなく、メロディ楽器として扱う」ということ。ピアノ伴奏に、ヴァイオリンとチェロの二重奏を乗せていくイメージですね。弦楽四重奏と異なり、チェロがバスの役割を果たす部分は多くありません。

これにヴィオラを足した「ピアノ四重奏」になると、チェロが低音担当に回る機会がぐっと増えます。弦楽器が3声部あれば、弦だけで和音構成音を満たすことができるからだと思います。

ちなみに、この編成の中で私が唯一弾ける楽器がピアノですので(きらきら星でよければ、ヴァイオリンでなんとか……)、どうしてもピアノパートに気合を入れてしまいます。難易度的には弾きやすい範囲に収まっているとは思いますが、手の交差が多少面倒かも。

楽曲について

ゆったりとした3拍子の曲です。私は4拍子よりも3拍子系の方が書きやすいみたいです。BPM92という中途半端なテンポになっていますが、なぜこんなテンポ指定にしたんだろう?記憶が定かではありません。

形式はソナタ形式。再現部は第2主題の後で第1主題が来ます。当初はもうちょっと自由に書くつもりでしたが、主題のモチーフを活かす形で書き進めたら、いつのまにかソナタの呈示部のようになってしまったので、そのまま続行させることに。

書き終わった後に気づいたことですが、第1主題はE-durの主和音を徹底して避けていますね。ひねくれ者な自分の性格そのままです。第2主題は減5度上のB-durへ。

展開部は、いったんE-durに戻り、チェロのピチカートの上でピアノが第1主題を弾くところから始まります(和声は変えてあります)。その後のピアノのきらびやかなアルペジオが特に気に入っているところ。動画のサムネになっているのもこの部分です。

ピアノがオクターブで力強くメロディを弾くところで頂点を迎え、一旦静まった後再現部へとつなげます。

打ち込みについて

いつも通りmusescoreで譜面を書いた後、MIDIデータをエクスポートしてLogicで編集します。

弦楽器ソロは、サンプリング音源の一番苦手とする分野だと思います。今回はVSLのソロストリングスを使っていますが、やはり「本物そっくり」というわけにはいかないようです。特に、ヴァイオリンのG線〜D線の質感を出すのが難しい気がします。

最初は抜粋版のVienna Special Edition(plusの奏法込み)で打ち込んでいましたが、チェロのサスティンのベロシティに違和感を覚えたため(ベロシティ60ぐらいで、すでにフォルテッシモ的なきつい音になる)、昔買って使っていなかったSolo Strings(Standardのみ)を急きょインストールして使うこととなりました。

現在は、追加の奏法(Extended)も昔に比べて廉価で入手できるようですね。今回、クレッシェンドの音はただのエクスプレッション書き込みで対処していますが、こういった奏法はExtendedに収録された実際のクレッシェンドの音を使う方がリアルになるかと思います。

ただ、現在ではもっと生々しい質感のライブラリが出てきているので、そちらに投資したほうがいいのではという考えで、まだ購入には至っていません。(最近、Embertoneに手を出してみましたが、使いこなしに予想外に手こずっており、Viennaの使いやすさを再確認した次第です。)