【音声付き】高音・低音など波形の見方(中学理科)
中学校1年生で学習する「音」について、波形の見方等を簡単にまとめてみました。高校入試では、この「音」の分野の出題頻度は高くありませんが、塾の授業では意外と説明に苦労するので、音声データも作って解説ページを用意してみました。
光も音も「波」なんです
「音波」という言葉がある通り、音は波(波動)の一種です。楽器を使って音を鳴らすと楽器が振動し、この振動が空気中を伝わっていきます。
この波の形は、オシロスコープという装置を使うことで見ることができます(もっと手軽な方法、例えばスマホアプリを使うこともできます)。(音量の)大きな音と小さな音、また(音程の)高い音と低い音では波形が少しずつ変わってくるのですが、まとめると次のようになります。
音量については波形の縦の幅を見ればOK。縦長になるほど大きな(うるさい)音になります。一方、音程の高さ(ドレミ)については、高い音ほど波形が「細かく」なりますが、これは振動数が大きいということです。
※振動数は、1秒に何回の振動が起こるかを示したもので、Hz(ヘルツ)の単位で表します。「おんさ」を鳴らすと440Hz(ラ)の音を聞くことができますが、1秒間に440回「おんさ」が振動していることになります。なお、振動数を倍にすると1オクターブ高くなり、半分にすると1オクターブ低い音が出ます。
音声で確認
ここで「高い音=振動数が高い」というイメージ作りのために、ちょっとした音声ファイルを用意しました。女性があいさつする声なのですが、通常のスピードの物と、速さを落として加工したものの違いを聴いてみて下さい
まず、元の音声です(データは「こえやさん」のものを使わせてもらっています)。
次に、スロー再生のものです。けして男性がしゃべっているわけではなく、上のデータをちょっと加工しただけのものです。
よく、テレビのバラエティ番組で、芸能人が驚いたシーンなどをスロー再生する場面を見かけると思います。すると例えば女性タレントが「キャーッ!!」と叫んだ声が、まるで男性のうなり声のようになってしまう現象が起こるのですが、「低い音=振動数が低い」ということが理由になっています。
反対に、芸能人が長々としゃべっている場面を早送りすると、ものすごく高い声になります。次のような感じです。
もう説明不要かと思いますが、「高い音=振動数が高い」ということがよく分かると思います。
ギターで確認
テストの問題では、モノコードという装置を使って音を出すときに、どうすれば音程の高い音が出せるのかを問う問題がよく出されます。ここでは、ギターを使って確認してみます。
ギターなど、弦を張る楽器を扱った経験があれば完ぺきに解ける問題ですので、もし身近に楽器を持っている人がいれば、ちょっと触らせてもらうのもよいかもしれません(楽器は命同然という人も多いですから、大事に扱ってね!)。
まず、弦をピンと張るほど高い音が出ます。ギターの先端、糸巻き(ペグ)を回すことで弦の張りを調整するのですが、これによって音の高さが変わっていきます。
また、左手で弦を押さえて右手で弦をはじくと音が出ます。音が出ている間は弦がブルブル振動するのですが、この振動する部分が短くなると高い音が出ます。具体的には、左手で押さえる部分がサウンドホール(穴の部分)に近くなればなるほど、高音となります。
最後に、弦の太さによっても音の高さは変わります。
低音ほど太く、高音ほど細い弦になるのですが、弦が太ければ振動のスピードが落ちることは簡単に想像できると思います。