1次関数がさっぱりという方へ、変化の割合と切片について基礎から確認
中学2年生の関数分野ですが、この分野が苦手な方は、まず式の中に現れる「変化の割合」と「切片」のイメージをつかむところから初めてみましょう。ここでは教科書的な説明は避けて、頭の中でイメージを描きやすいように図表で解説してみたいと思います。
1次関数はy=ax+bという式で表せますが、aに当たる部分が変化の割合、bが切片です。bをスタート地点として(※)、aずつ数値が増えて(減って)いくというイメージです。
※関数はプラス方向だけでなく、マイナス方向にも伸びていくので、「スタート地点」というのは正確な言い方ではないのですが、とりあえずこうイメージしておくと理解が早まります。
一次関数の式で表せる典型的な場面をいくつか見てみましょう。
いずれの場合も、最初にあった量が一定割合で増減するというイメージですね。変化の割合は「変化のスピード」と考えてよいかもしれません。
表にしてみると
一次関数の式を表にしてみると下のようになります。y=2x+3という式であれば、yの値は「3から始まり、2ずつ増える」ということがはっきりわかると思います。
ここまで「切片3」を「3から始まる」と表現してきました。繰り返しになりますが、xはマイナスの数値にもなりうるので、そこを考えると本当は「3からスタート」というのは不正確です。切片をきちんと説明しようとすれば、「x=0のときのyの値」という表現になるでしょうか。
グラフにしてみると
表ときたら、次はグラフで表してみましょう。切片はグラフのy軸上に存在し、この点を取るところから書き始めます。
また、変化の割合はグラフの「傾き」となります。今回は傾きが2で、yは2ずつ増えていきます。もう少し正確に言うと「xが1増加する(右1マス進む)ごとに、yは2つ分増える」となります。
別の見方をすると、このグラフは「比例のグラフy=2xを、切片の分(上に3つ分)だけ押し上げた(平行移動させた)グラフ」という説明をすることもできます。
グラフの傾きいろいろ
グラフを書く問題では、傾きに十分気をつけましょう。特に、グラフが右上がり(傾きプラス)なのか右下がり(傾きマイナス)なのかは真っ先に検討して欲しいところです。
傾きが分数になるときの考え方も載せておきました。傾き4/5ときたら、xが5増える(右5マス)間にyは4増える(上4マス)という発想になります。
この考え方は、変化の割合を計算するとき重要になります。変化の割合を求める問題のページも大分前に作りましたが、やや舌足らずなのでそのうちリニューアルしたいと思います。