東京五輪、ロシア国歌代わりのチャイコン1番?!

この記事を書いているのは2021年4月、東京などで新型コロナの緊急事態宣言(3度目)が決定された時期です。「本当にオリンピックなんかできるの?」と誰もが思う中、NHKからこんなニュースが届きました。

過去の組織的なドーピングをめぐり、スポーツの国際大会で国旗や国歌を使えない処分を受けたロシアに対し、IOC=国際オリンピック委員会は、東京オリンピックで国歌の代わりにチャイコフスキーのピアノ協奏曲を使うことを承認しました。

2021年4月23日 23時12分

この記事のタイトルが「ロシア 東京五輪で国歌の代わりにチャイコフスキーの協奏曲」となっており、私は普段Vnコンチェルトの方ばっかり聞いているので、一瞬「あんな慌ただしい曲でいいの?」と思ってしまいましたが、これはもちろんピアノ協奏曲第1番のことです。冒頭部のメロディーはクラシックなんか滅多に聞かない人でも知っているフレーズですね。

ロシアの作曲家の代表格といえば、それはもうチャイコフスキーなんでしょうが、まさかこの曲になるとは。それにしてもどの部分を使うんでしょうか。例の1楽章冒頭だとあんまりスポーツの祭典らしいイメージはないですし、かといって3楽章ラストだとテレビ朝日の「ナニコレ珍百景」で、「珍百景登録!!」などと拍手が鳴り響くシーンみたいになってしまいますね(※)

ピアノ協奏曲第1番のラスト

※一応ご説明いたしますと、「何これ!」と驚くような日本各地の珍しい光景、笑えるシーンなどを紹介する番組です。BGMに「キエフの大門」も使われていて、怪しげな看板の並ぶお店とか、変なポーズをとる犬とかシュールな場面で荘厳に鳴り響くので、最近はピアノの発表会で「展覧会の絵」を弾くのが恥ずかしいという話も……

同じチャイコの曲なら、大序曲「1812年」の方が曲調的にはマッチしそうですが、あれはナポレオンを退けたロシア帝国の愛国曲的な意味合いがあるでしょうからNGを食らってしまいますね。なおWikipediaで調べてみると、チャイコフスキーは文句を言いながらやっつけ仕事的に作り上げたようです。

他にも、国家の代用曲が「ショスタコ5番の4楽章だったら」とか「春の祭典の終曲だったら」など色々と変な妄想をしているうちに、ふと我に返るのです。「コロナの恐ろしい変異株が蔓延するこの状況で、本当にオリンピックやっちゃうの?」と。どうか、悲愴交響曲ラストのような救いのない結末にならないことを祈っております。