英語の5文型をビジュアル化
英語の文は5パターンに分類できるよという「5文型」について整理してみたいと思います。この辺り、かつては高校英語の最初に出てくるお話だったのですが、2021年度からの教科書ではなんと中2で学習しなければいけません。できるだけビジュアル化してお伝えしてみたいと思います。
それと一緒に、第4文型SVOOの文の「誰に・何を」の順番をtoやforを使って入れ替える方法についても図にしてみました。コツは「単独でできる行動か、それとも必ず相手のいる行動か」に注目することなのですが、ページの後ろの方で取り上げますので、最後までお付き合いください。
英文を組み立てる「部品」
英語の文を組み立てるときや、長い英文を分割しながら読んでいくとき、「主語」や「動詞」などのパーツに注目することになります。特に高校英語の場合、アルファベットの略語を使って勉強することが多いので、これをまず押さえておきたいところです。
これらを組み合わせて英文を作っていくわけなのですが、その組み合わせのパターンが5つあり、これが「5文型」となります。今からその1つ1つについて、例文と一緒に見ていきたいと思います。
英語の5つの文型
第1文型 (SV)
最初にご紹介する文型は、最低限「だれが、どうする」という情報だけがあれば成立します。ただし、図のように修飾語を伴うことが多いです。
図表内の英文の訳は、順番に「彼女は微笑んだ」「猫が壁を越えてジャンプした」「この店は8時に閉まる」となります。
「いつ・どこで・どのように」という情報は、文のメインではないオマケの情報として「修飾語」の扱いとなります。これらの修飾語は日本語だと真っ先にしゃべることが多いので、英作文のときには語順に要注意です。
※修飾語は第1文型だけではなく、第2文型以降でも使われます。なお、修飾語をM(Modifierの略)とアルファベットで表記する参考書もあります。
第2文型 (SVC)
次の文型は、動詞をはさんで情報がイコールで結ばれるタイプのものです。
英文の訳は「私の兄は庭にいる」「彼は70歳になった」「彼の話はウソのように聞こえる」となります。
これらは主語Sについて「こんな状態・性質だよ」と補語Cを使って説明するパターンで、使う動詞としてはis, amなどのbe動詞が定番ですが、一般動詞でも次のようなものがあります。
- stay, remain……S=Cのままでいる
- become, get, turn……S=Cになる・変わる
- feel, look, sound……S=Cのように感じる・見える・聞こえる
特に、getが「~になる」の意味合いで使うことに注目です。以下はほんの一例で、色々な場面でこのパターンのgetが出てきます。
- get dark……暗くなる
- get well……元気になる
- get home……家に着く=家にいる状態になる
第3文型 (SVO)
3つめにご紹介するのは、「だれが、どうする、何を」というおなじみのパターン。
英文の訳は「彼は青い車を持っている」「弟が私のケーキを食べた」となります。
SとOは「する・される」の関係、言い換えると「主役・ワキ役」の関係といえるかもしれません。動詞の前後がイコールになりませんので、それでSVCの第2文型と区別できます。次の文の、gotの後に続く言葉は目的語、補語のどちらでしょうか?
- She got a letter.
- a letterは目的語 (O)。彼女=手紙、というわけではない。彼女はゲットする方。手紙はゲットされる方。
- She got hungry.
- hungryは補語 (C)。彼女=空腹になった、というイコールの関係。hungryは彼女の状態を示している。
第4文型 (SVOO)
4番目の文型は目的語が2つ登場。これを「二重目的語」と呼ぶこともあります。
英文の訳は「彼は私たちに金メダルを見せた」「私はあなたにいくつかの質問をします」となります。
「~に~をあげる」「~に~を教える」など目的語が2つ連続しますが、この形をとる動詞として、give, send, teach, tell(~に~をあげる・送る・教える・伝える)あたりはすでに中学校でもよく使われていたと思います。他には、lend, offer, sell, leave(~に~を貸す・提供する・売る・残す)あたりも定番の表現となります。
SVOOの文は、2つのOの順番を入れ替えることもできるのですが、ちょっとコツが必要です。後述します。
第5文型 (SVOC)
これで最後となりました。後半のOとCがイコールの関係です。
例文は「私たちはその犬を『ポチ』と呼ぶ」「私は彼が天才であると気づいた」「私を一人のままにして(放っておいて)」となります。最後の例だけ、命令文で主語がありません。
このタイプの動詞を、似ている者同士まとめて取り上げると次のようになります。
- make, keep, leave……OをCにする・OをCのまま保つ・OをCのまま放置する
- call, name……OをCと呼ぶ、OをCと名付ける
- think, find……OをCだと考える、OをCだと気づく
この中ではfindに注目で、探しものを発見するという意味だけではなく、とある事実を発見して「気づく」「わかる」と訳す使い方ができます。
SVOOの順番入れ替え
SVOOの2つの目的語(~に、~を)は、toまたはforの前置詞を間にはさむことで順番を入れ替えることができます。文よりも図表の説明のほうがわかりやすいと思いますので、まずはご覧ください。
toの方の例文は「彼女は私にいくつかアドバイスをくれた」となり、forの方は「彼は私に沢山の服を買ってくれた」となります。
toを使うパターンの動詞は、いずれも動作の相手が存在する行動です。例えば「あげる」というからにはもらう相手がいるでしょうし、「教える」というなら必ず教わる側の人がいるはずです。こういう動詞のときは、その動作が向かう方向を示す意味で、toを補います。
一方、forを使う動詞は、いずれも相手なしで成り立つ行動です。「買う」という行動はプレゼントではなく自分用の購入でもよいわけですし、何か物を「作る」場合もやっぱり自分のためなのが基本のはずです。そういう行為を、わざわざ他人のためにしてあげるという文脈になるとき、「~のために」という意味合いで、目的を示すforを一緒に使ってやることになります。
最後に、図に載せられなかった動詞をここで列挙してみたいと思います。
- toを補う……give, lend, show, offer, sell, send, teach, tell
- forを補う……buy, cook, make, leave,