関係代名詞を使って文を1つにまとめる問題
中学3年で習う英文法の「関係代名詞」を使って、2つの文を1つにまとめる問題がときどき出題されます。このタイプの問題は、ただでさえ面倒な関係代名詞を複雑に考えてしまうので、英語嫌いの人を増やすだけなんじゃないかと心配になるのですが、そうは言ってもテストで点を取らなければいけません。なんとか上手く解く方法について考えてみました。
「そもそも、関係代名詞って何なのよ」という方のために、ページの後半で簡単な概要も載せましたので、合わせてご覧下さい。
文をつなぐ2つのパターン
2つの文を1つにまとめるとき、単純に2つ並べるだけで済むパターンと、片方の文の間にもう1つの文をはさんでやるというパターンの2通りがあります。細かい手順は追って説明しますので、まず文の構造を見てみて下さい。
いずれのパターンも、関係代名詞のwhoやthatが人・物を指す言葉(先行詞)の直後にくっついて、「今から情報を補足するよ」と予告するような役割になっています。
文末につなげる方法
それでは最初に、2つの文を並べてつなげるパターンについて見てみましょう。
文を並べる前の準備として、2つの文の両方に同じ人・物を指す言葉があるはずなので、それを見つけておきます。今回の場合は”a friend”と”He”が同じ人物を指しています。そして、そのうちの一方を関係代名詞に変えます。図ではwhoに変えましたが、thatでも大丈夫です。
そして最後に文をつなげば完了です。もう1つ見てみましょう。
この例では、2つめの文のitを関係代名詞that(whichでもOK)に変えた後、文の先頭に移動させるという手順に注意です。そうすれば、最初の文の”the book”の直後に関係代名詞が来て、文がきれいにつながります。
文の間にはさむ方法
では次に、片方の文の間にもう一方の文をはさむやり方も見てみましょう。
先ほどと同じく、「同じ物を指す言葉はどれか」を探していきます。そうするとthe movieとitが同じだと気付くのですが、”the movie”が1つめの先頭でいきなり出てくるため、最初の文を一回中断させた上で、2つ目の文の内容(私たちが昨日見た)をはさんでやり、初めの文の述語部分(「退屈だった」)は最後に置くこととなります。
……と文章で書くとややこしいですが、つなげた文は「映画/昨日見た/は退屈だった」と3つの部分から成り立っています。この形を覚え込めば問題ありません。
次に、もう1例見ていきましょう。こちらはミスを招きやすいので要注意です。
こちらも同様に「男性/あの家に住む/はケンのおじだ」という3点セットになります。ただこの問題は、次のように間違えてしまう可能性があります。
これは、2つの文をそのまま並べてしまった形になります。文法上問題はないのですが、和訳すると意味がよくわからなくなってしまいます。
(以下は読まなくてよいです)
実は、このwhoには「候補を絞り込む」役割があります。この失敗例だと「その男性はね、ケンの複数のおじさんのうち、あの家に住んでいるおじさんなんだよ」というニュアンスになります。したがって「ケンのおじさんのうち、太郎さん、二郎さん、三郎さんの誰なのか」を気にする場面ならこういう文もありそうですが、今回は明らかにそういうシチュエーションではなく、「あの家に住んでいる男性の正体は誰?」という文脈のはずですので、誤りとなります。
【補足】関係代名詞についての概要
ここで、順番が前後しますが関係代名詞についての基本的なイメージを確認しておきたいと思います。
関係代名詞は人や物に関する言葉(先行詞)の後に続き、「その人はね」「それをね」と補足情報を付け足す意味合いを持ちます。上の例なら
- 友達でね、その人はね、ここで働いていて……
- 歌でね、それをね、彼女は一番好きでね……
という感じで読み進めていくことになります。和訳するときは「ここで働いている友達」「彼女が一番好きな歌」と語順を変えるときれいな日本語になります。
関係代名詞は先行詞の種類によって、次のように使い分けます。中学英語なら「大まかには……」の方だけ覚えておけば99%問題ありません。
関係代名詞の「主格」「目的格」については、別ページで解説を設けてありますのでそちらをご覧ください。
なお関係代名詞thatは、「1番」「唯一の」「すべての」など強く絞り込まれた言葉とセットで使われることが多いです。
- the longest movie that I know (私が知っている中で一番長い映画)
- all the money that he had (彼が持っていたお金の全額)
絶対のルールではないので、試験問題では出されにくいと思います。頭の片隅に置いておけばいい、といったぐらいの重要度のはずです。