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コップの水滴で湿度を求める方法について

空気中の水蒸気量のグラフを読み取ったり、部屋の湿度を求めたりする方法についての確認です。まずは、湿度を求めるときに重要となる 「飽和水蒸気量」 から。1m3の空気に入り込める水蒸気の最大量が「飽和水蒸気量」です。

飽和水蒸気量について

温度が高いほど飽和水蒸気量も上がっていきます。晴れた日の空気がカラッと乾いている(蒸発が起こりやすい)のはこのためです。温度ごとの具体的な飽和水蒸気量を大まかに表にすると、次のようになります。

温度 (℃)飽和水蒸気量 (g/m3)
04.8
46.4
88.3
1210.7
1613.6
2017.3
2421.8
2827.2
3233.8
3641.8

テストの問題では、これらの数字はどこかに(表またはグラフで)示されるはずですので、もちろん覚える必要はありません。

反対に、温度が低いと飽和水蒸気量は少なくなり、空気中にいられなくなった水蒸気が水滴となって現れます。冬の日の窓ガラスや、冷たい水の入ったコップを想像してみるとよいと思います。

水滴がつき始める温度(露点)を調べることで、部屋の湿度を求めることができます。ここで、コップに氷水を入れて湿度を調べる実験について見てみましょう。

湿度を調べる実験

コップは、熱を伝えやすい金属製の物がよく使われます。このコップにあらかじめ水を入れておくのですが、冷たい水だと正しい結果が出ませんので、前もって水をくんでおいて、しばらく放置した後に水が室温と同じ温度となっていることを確認してから実験に入ります。

コップに水滴がつく温度を調べる

コップに氷水を少しずつ注ぎ、水滴の現れ始める温度を調べます(水滴を確認しやすくするため、コップにセロハンテープを貼ることもあります)。コップの周りの温度が下がり、空気中に入り込める水蒸気の量もどんどん少なくなり、16℃の時点で水滴が出始めます。この温度が「露点」です。

16℃での飽和水蒸気量は13.6g/m3なので、これにより部屋の中に存在する水蒸気量も13.6g/m3だと判明します。これで湿度を計算する準備が整いましたが、計算に入る前に湿度のイメージを確認してみたいと思います。

湿度は乗車率のように考える

湿度は、乗り物の乗車率のようなイメージを持っておくと便利です。車両に乗れる最大の人数に対して、実際にどれだけの人が乗っているか示すのが乗車率ですが、湿度の場合も同じです。空気中に含める最大の(飽和)水蒸気量に対して、現にどのぐらいの水蒸気が存在するのかを割合で表します。それでは、先ほどの実験での湿度計算をしてみましょう。

湿度を計算

室温は24℃ですから、飽和水蒸気量[B]は21.8g/m3。これに対して、実際に室内に存在する水蒸気量[A]は、実験により13.6g/m3と判明しました。AをBで割り、100を掛ければ湿度をパーセントで求めることができます。小数点の位置に注意しましょう。

湿度を求める計算問題は、今回のようにコップの実験とセットで出されるのが定番です。面倒な分野ですので、問題ごと覚えてしまうのが良いかもしれません。